あるぞ、異例のスピード出世!

 阪神の育成枠ルーキー田上健一外野手(22=創価大)が球団初の快挙を達成するかもしれない。俊足を評価され、1軍キャンプに残留。真弓監督は22日、支配下登録について「するかしないかはギリギリまで大丈夫。(力は)見せてくれているね」と前向きな姿勢を見せた。育成枠の新人が開幕を1軍で迎えるのは、07年のヤクルト伊藤秀範投手以来。今後のアピール次第では代走や守備固めとして、1軍ベンチに食い込みそうだ。

 首脳陣の期待の大きさは、23日に行われる紅白戦の先発メンバーにも表れていた。田上は紅組の2番中堅で出場予定。早くも上位打線でテストを受ける。和田打撃コーチは「足と守備は1軍でもいけるんじゃないか。赤星をもっと力強くする感じになればいい」と高い評価を隠さなかった。外野のレギュラー有力候補は、中堅マートンと右翼桜井で、ともに守備に不安がある。指揮官は「守備固めが必要になる」とスペシャリストの出現を臨んだ。そこに田上がクローズアップされた形だ。

 当の本人は、大きなチャンスをモノにしようと必死だ。この日は居残り特打で課題の打撃向上に取り組んだ。「センターから逆方向を意識して、足を生かせるバッティングをしたい。1日1日アピールして、早く支配下に登録されたらいい」。ポスト赤星争いの大穴中の大穴だった22歳が、存在感を増してきた。

 [2010年2月23日11時32分

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