西武のドラフト1位ルーキー菊池雄星投手(18=花巻東)が23日、フリー打撃に初登板した。後藤、松坂を相手に32スイングで安打性は6本。空振りは高め直球で松坂から奪った1度だけ。自信のある直球を軽々とはじき返され「プロは違いました。高校では真っすぐを絞られても打たれなかった」とレベル差を痛感した。

 この日のテーマは「全力で打者にどれだけ投げられるか」。投球時に「ウォリャー」と叫んで気合をこめたが、目の前に置かれた防球ネットも気になり、55球のうちボール球が23球。勢いのある球、ない球に差があり、スライダーは6球のうち5球が大きく外れた。制球は求められてなかったとはいえ、まだ打者と勝負できる段階になく、ネット裏で見守ったソフトバンクなど4球団のスコアラーは「現時点で開幕1軍は難しい」と口をそろえた。

 長い目で見る渡辺監督は「2球くらい145キロが出てたかな。抜け球だったけど、あれぐらい腕を振ってくれてよかった」とうなずいた。ただし、今後の実戦登板に向けたテストと考えれば「オープン戦?

 見てみたいけど、そこまでいってないかな」と慎重だった。「楽しかったし、詰まらせるボールもありました。現時点での技量を把握できた。まだまだと感じた」と振り返った雄星の実戦デビューは、卒業式が終わった3月7日以降になる見込みだ。【柴田猛夫】

 [2010年2月24日8時52分

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