けん制も一発回答!

 阪神城島健司捕手(33)が25日、紅白戦に「4番捕手」で出場。移籍後初めての実戦マスクをかぶって、2回1死一、三塁で、飛び出していた一塁走者上本をけん制で仕留めた。実戦デビューした21日の初スイング弾に続いて、初マスクのけん制1球目でアウトをゲット。先発下柳とコミュニケーションをとって、内野陣の動きに目を光らせるなど、別格の存在感を見せた。

 狙った獲物は逃さない。城島が強肩デモンストレーションを敢行した。2回1死一、三塁で打席に大和、カウント1-0から下柳の外角球が大きく外れた。立ち上がって捕球して、大きくリードした一塁走者上本をロックオン。一塁ベース上にドンピシャの送球。実戦で初めて投げたけん制であっさりアウトを奪った。

 城島

 (上本は)おれの回し者かな。めっちゃ(一塁から)出てた。誰でも刺せるでしょう。ウチの息子でも殺せるよ。

 冗談交じりに振り返ったが、上本の大きすぎるリードを差し引いても抜群の強肩とコントロールだった。

 常に狙っている。初回1死から関本が死球で初めて出塁。岡野手チーフコーチは「関本が出た時にちらちらと見て『狙っているな』と思った」。02、03年のオリックスコーチ時代にソフトバンク所属の城島と対戦。接戦のゲームで一、二塁から手痛いけん制死を経験しているという。「走者が出てどうするかなと見ていたけど。以前と同じだった」と同コーチはうなった。

 わずか3イニングの実戦マスクだったが、精力的に動いた。下柳と話し合って「真っすぐ系でゴロを打たせよう」をテーマにサインを出した。首を振らない下柳がけん制球を投げた時は交代時に歩み寄った。「サインが嫌だったんですか?」と質問して「いやおれが間を外したかった」という答えを得た。「首を振らない投手はサインを嫌がってけん制を入れることもあるから」と疑問点をすぐ解消した。

 内野手の動きにも目を光らせた。2回1死三塁では内角を攻める前に、三塁手野原将にベース寄りの位置をとるようにサインを出した。見落とした野原将は、鳥谷から「(サインが)出てるから見ておいてな」と指摘された。城島は「鳥谷が言ってくれたから僕が言う必要はない。(サインを)見ていない時に、誰が内野の中で見ているか。いろんなところを見るのが捕手の仕事」と口にした。

 初マスクで次々と情報を収集した。開幕まで残り1カ月も鋭い観察眼でチームの把握に努める。「ことがおこる前に確認をしないといけない。お互いにいいわけがない状況でゲームシーズンを迎えないといけない。とにかく1人1人です」。グラウンドの司令塔として投手との連係と野手陣の統率を図る。

 [2010年2月26日11時35分

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