<阪神11-1オリックス>◇27日◇安芸

 地元高知でプロ初勝利ぜよ!

 阪神二神一人投手(22=法大)がチームの新人投手では00年吉野誠(現オリックス)以来10年ぶりとなる“開幕投手”で、4回を2安打1失点。堂々の勝ち投手に真弓監督も「ローテーション争いの中には、しっかり入ってきている」と明言し、開幕ローテーションにまた1歩前進した。

 投げるたびに、ハードルを越えている。「今までで1番長いイニングだったが、四球もなくゲームをつくれたことが良かったです」。入団以来最長となる4イニングを投げきった。最後の打者T-岡田には本能をむき出した。1打席目に二塁打を浴びた同級生に、打たれっぱなしでは終われなかった。カウント2-1からの4球目、サインに首を振り三振を奪いに行った。惜しくもウィニングショットのフォークは落ち方が早く見逃されたが、最後は内角直球で詰まらせる力勝負で三邪飛に打ち取った。55球を投げ終え、涼しい顔でベンチに下がる姿に、大きな拍手が送られた。

 生まれ故郷高知での凱旋(がいせん)登板だった。一塁側には、二神を後押ししてくれる人たちがいた。両親、祖母をはじめ、親族や後援会関係者が、大月町から駆けつけていた。「地元の人にも、プロの世界で投げているところを見せられてよかった」。育ててくれた恩返しから「開幕1軍」へ向けてスタートを切った。

 [2010年2月28日12時37分

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