<交流試合:ソフトバンク3-6韓国ロッテ>◇2月28日◇福岡ヤフードーム

 今季は走り勝つ!

 対外試合初の黒星を喫したソフトバンクだが、10年型の攻めを見せた。まずは1番本多雄一内野手(25)だ。初回。左前打で出塁すると、続く川崎宗則内野手(28)の2球目にスタートを切った。楽々と二盗に成功。川崎の凡退後、今度は松田宣浩内野手(26)の2球目に三塁を狙った。「(今季は)自分のタイミングでどんどん走っていく」。積極果敢な走りで三盗も決めた。

 続いては松田。本多を三塁に置き四球で出塁すると、二盗を試みセーフ。「企画できたことがよかった」。チームは初回1死までに3個の盗塁を成功させ、4番小久保裕紀内野手(38)の犠飛で楽々1点を先制した。

 5回には長谷川勇也外野手(25)も走った。二塁内野安打で出塁すると、続く田上秀則捕手(29)の打席でスタート。投手はけん制球を投じたが、この時点で長谷川の勝ちだった。「(投手が)足を高く上げていたので、万が一けん制を投げられてもセーフになると思った」。一塁手が二塁に送球した時には、滑り込んだ長谷川が塁上に立っていた。その後三塁まで進んだ長谷川は、内野ゴロの間に2点目のホームを踏んだ。

 8回1死には、三塁打を放った中西健太外野手(23)が続く吉川元浩内野手(30)の三ゴロで好判断で本塁へ駆け込んだ。結局この日の3得点に適時打はなく、すべて足をからめて奪った。見守った王会長も「スキあらば次の塁へ行く、というのは相手へのプレッシャーになる」と、一発に頼らない新たな攻撃スタイルに太鼓判を押した。

 強力打線を誇りながらも、昨季は144試合中2得点以下のゲームが51試合もあった。勝敗は5勝41敗5分け。この日序盤、中盤、終盤に足を生かして1点ずつ3得点したことは、打線が湿っても簡単に負けない新ソフトバンクを予感させた。

 [2010年3月1日11時22分

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