ヤクルトが故障者続出で26日の開幕巨人戦(東京ドーム)へ、危機的状況に陥った。1日、開幕先発ローテーションの一角だった村中恭兵投手(22)が腰と背中に張りを訴え、オープン戦の登板が白紙となって開幕がピンチとなった。昨季最多勝の右腕エース館山は右肩の違和感で出遅れ、リリーフ左腕の石井など、主力にケガ人続出。これで今キャンプ中に故障した選手は10人目で、チームに暗雲が垂れ込めた。

 ヤクルトが早くもピンチだ。先発ローテの一角を期待される5年目左腕、村中がこの日、軽めのキャッチボールだけで投球練習を中止した。2月27日の横浜戦で4回3安打無失点と好投したが、直後に腰と背中に張りを訴えていた。「少し疲れがきているので…。少し休めば大丈夫です」と話したが、先発予定だった7日のオープン戦日本ハム戦(札幌ドーム)回避が決定し、表情は険しかった。

 また、この日の韓国LGとの練習試合では、高卒2年目捕手の中村が、3回に二盗を決めた際に左足首を痛め、顔をゆがめて退場した。「軽いねんざ」と診断され、高田監督も「あいつは痛がりだから」と笑ったものの、正捕手の相川以外は米野、福川、川本と3捕手もケガで戦線離脱しているだけに、首脳陣は状態が気になるところだ。

 26日の開幕巨人戦へ1カ月もない時期にきて、バッテリーは文字通り、壊滅状態だ。昨年、セ・リーグ最多勝を獲得した右腕エース館山は古傷の右肩の状態が万全でなく、いまだに実戦登板のメドが立っていない状況。2月24日には1軍キャンプで調整していた石井が室内プールでのトレーニング中に右足親指に裂傷を負い、翌日に帰京した。右ひじ痛を抱える川島慶をのぞき、投手6人、捕手4人の計10人が今キャンプで故障発生。石井、山本哲、米野、福川の4人が帰京している。

 2日、沖縄・浦添キャンプを打ち上げる。高田監督は「石井は(実戦登板の)楽しみが後回しになっただけ」と前向きに話したが、開幕先発ローテ入りを当確にしているのは左腕エースの石川と由規の2人だけ。“ヤク払い”が必要な緊急事態だ。【由本裕貴】

 [2010年3月2日8時28分

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