<日本ハム6-3阪神>◇3日◇札幌ドーム

 またしても初スイングだった。1点を先制した直後の1回1死一塁。阪神城島健司捕手(33)がカウント0-1からカーライルの内角直球に詰まりながらも、左前に運んだ。2月21日の紅白戦初スイング弾に続き、「ゲームでいつも速い球を待っている。内角近辺にきたら振っていく」という初スイングでの安打だった。それだけで安心しない。一塁走者鳥谷が三塁に走る姿を見て、果敢に二塁を狙ったがタッチアウト。「(試合後に)用事があるんじゃないか、というような暴走。(序盤の)接戦を生んだのは僕です」と冗談めかして振り返ったが、走塁重視のチーム戦術への対応にトライした。

 マスクをかぶっても存在感は別格だった。先発左腕フォッサムの外角球が不安定と判断し、内角球を積極的に活用。1回2死一塁でボークをとられた助っ人にはイニング間にグラブの静止について話し合い。「疑わしきは罰するのが日本のスタイル。今の時期だからフォッサムにとっては大収穫だった」と振り返った。2回1死一塁では糸井に二盗を許した。「フォッサムはフォームを盗まれ、僕が肩が弱い」と言ったが、メッセンジャーも含めた助っ人2投手にはけん制やクイックのサインを封印。「自分の力でどれくらい走者をホールドできるか、みないと。(セットで投げる)タイムは僕も知りたいし、ベンチも知りたいはず」と公式戦を見据えて実戦をこなしている。

 試合で「城島スタイル」を披露したが、準備でも流儀を貫いた。選手バスよりも1時間30分早く球場に先乗り。30分間、黙々とスタンド内のコンコースを走った。4回まで無失点でリードし、2打数1安打。「結果うんぬんじゃなくて捕手としてやることは普通にやれているから問題ない」。4日は5イニングを予定。プロとして勝つための準備に向けてどんどんペースを上げていく。【益田一弘】

 [2010年3月4日9時1分

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