<ソフトバンク3-1巨人>◇6日◇福岡ヤフードーム

 う~ん、すごスギ!

 ソフトバンクの開幕投手に内定している杉内俊哉投手(29)が“エコ投球”で巨人打線を沈黙させた。オープン戦2度目の先発は5回57球で1安打無失点。「球数が少なく終わったのはうれしい」。涼しい顔に笑みを浮かべた。

 息もつかせぬ3球勝負だ。初回1死、前日5日に満塁弾を放った長野を2球で追い込み、間髪入れず低めのチェンジアップでバットに空を切らせた。「ムダ球は投げないようにしている。カウント2-0でも追い込んだら(三振を)狙っていく」。奪三振7のうち3球三振が3。1球たりともおろそかにしなかった。

 「10年型杉内」の完成形が見えた。初回は8球、2回は9球、3回は8球でいずれも3者凡退。序盤3イニングの25球中、ボール球は4球だけ。打順が2巡目に入った4回以降はやや球数を要したが、三振を恐れた巨人打線を早いカウントから打ち急がせた。「(三振を)意識させれば初球から振ってくる」。計算通りの投球。秋山監督も「完ぺきだったな」と舌を巻いた。

 毎年のように目標に掲げてきた「200投球回」に、今年こそ到達する。191投球回で自身初の大台を逃した昨季は、1イニング平均15・98球。日本ハム・ダルビッシュの同14・79球に比べ、1球以上多かった。「1イニング15球以内で終わらせたい。1球減らすことによって1年間でだいぶ変わってくる」と話した。

 3月20日の開幕戦で投げ合うダルビッシュはこの日、ヤクルト戦で6回0封。杉内も一歩も引くつもりはない。進化したスタイルで投げ勝ち、シーズンに弾みをつける。

 [2010年3月7日11時54分

 紙面から]ソーシャルブックマーク