<日本ハム0-4ヤクルト>◇7日◇札幌ドーム

 ヤクルト由規投手(20)がオープン戦首位打者だったライバルを連続三振に切った。札幌ドームでの日本ハム戦に先発し、5回を3安打無失点6奪三振に抑え込んだ。ロッテ唐川を含め甲子園を沸かせた高校ビッグ3の中田との対戦では、絶対に打たせまいと最速151キロの速球と鋭いスライダーで2打数2三振に仕留めた。同期生対決を完ぺきな内容で制し、開幕へ向け順調な仕上がりぶりをみせた。

 力でねじ伏せる。由規の頭の中は、“同期生対決”のライバル心でいっぱいだった。4割1分8厘でオープン戦首位打者など関係ない。2回裏1死、中田が打席に入ると、初球から直球を連投。150キロ、150キロ、149キロの剛球で、あっという間にカウント2-1に追い込むと、ウイニングショットも今試合最速となる151キロの直球だった。

 2度目の対戦は4回裏1死一塁。初球はスライダーで空振りを取ると、2球目の直球はファウル。3球目のスライダーがボールになったが、続けたスライダーに中田のバットはピクリと反応しただけ。外角いっぱいに決まり、中田を打率2位へと落とす連続三振でねじ伏せた。「やっぱり意識するし、力が入る。力が入った球が投げられました。打たれたくない気持ちは正直あります」と会心の笑顔で振り返った。

 これでオープン戦では4打席すべてで三振をマーク。プロ入り後の通算対決でも圧勝している。08年の2軍戦で本塁打されているが、今季は練習試合を含め、四球、三振、三振で、今試合での2三振で4連続奪三振を継続中だ。通算は6打数1安打5奪三振1四球。普段はおとなしい由規だが、中田への対抗心を数字でも残している。

 キャンプ中の実戦では連打を浴びる試合が続いていたが、ライバルを踏み台にして不調からは完全に脱した。まだセットポジションで制球を乱す悪いクセがあり、初回と3回に走者を出した直後に四球。それでも「走者を気にして投げ急いでしまう。軸足にしっかりと体重を残して投げないと」と意識した4回と5回には、無死一塁から打者6人を抑え込んだ。

 昨年は頻繁にマメをつぶし、チームに迷惑をかけたが「ボールの握りを変えたり、指先に負担がかからないようにしています」と対策している。チームは昨年3位。由規が1年間ローテーションを守り切れば、それ以上の成績も見えてくる。【小島信行】

 [2010年3月8日8時32分

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