オープン戦開幕以降25打席無安打のソフトバンク小久保裕紀内野手(38)が、シーズン開幕まで全戦4番出場で復調をはかる。秋山幸二監督(47)が8日、クリーンアップの組み替えを否定。小久保はオープン戦残り試合を全戦フル出場する考えをみせた。3月20日へ向け、主将のバットが上昇カーブを描くはずだ。

 小久保が4番フル出場で復調への歩みを踏み出す。オープン戦開幕以降、ここまで実戦7試合でノーヒット。25打席快音がない。この日、チーム帯同で東京入りした小久保は、地元福岡よりも気温が下がる天候でのプレーとなることが予想されるが「(注意するのは)肉離れだけ。でも、これからは全部4打席立つ。もう(練習で)振り込むこともできないし」と言い切った。残り全試合の完走を宣言だ。

 秋山監督も、打率0割でも4番を動かすつもりはない。中軸の打線組み替えについて「今は何も考えていない」と明言。4番を託し続け、快音を待つ考えを強調した。

 無安打がクローズアップされるが、決して打撃の内容は悪くない。17年目のシーズンを前に思わぬ苦しみを味わっている小久保自身「結果は出ていないけれど、やるべきことはやってきた」と下を向くことはない。秋山監督も「あとは運だけじゃないの。練習の状態も悪くない。シーズンじゃなくてよかったんじゃない」と平然としたもの。芯(しん)でとらえても野手の正面をついたり、好守に阻まれるシーンがあり、あとは“運気上昇”を待つだけといったところか。

 この日、球団事務所で仕事をこなした王球団会長も「我々の世界、感覚の世界だからね。1つのことで変わるもの。小久保は経験もある選手。大丈夫ですよ。心配ないですよ」と心配無用と言わんばかりだ。何より、小久保は4番の仕事を誰よりも自覚している。「実戦に入ってくれば走者を置いた場面の打席になる」(小久保)。個人的には30発をノルマに掲げているが、ゲームが始まれば走者を返すことに集中している。3月20日まで実戦は残り7試合。主将がきっちりと調整してくるはずだ。

 [2010年3月9日12時8分

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