ソフトバンク松中信彦外野手(36)が3月20日の開幕日本ハム戦(札幌ドーム)を代打出場で迎える可能性が高くなった。9日、代打で出場予定だった横浜とのオープン戦(平塚)が雨天中止となり貴重な実戦機会が失われた。秋山幸二監督(47)は全力疾走ができない現状を不安視するなど、調整遅れを認めた。オープン戦は残り5試合。主砲はギリギリまで「4番DH」での出場を狙う考えだが、ベストの状態で開幕を迎えられるかは、極めて微妙になった。

 松中の「開幕4番」に暗雲が立ちこめた。開幕まであと10日。首脳陣は主砲の「開幕戦代打出場」の想定を開始した。この日、秋山監督は「走れてないから不安がある。不安があると(複数回)打席に立てない」と語るなど、主砲の調整遅れを認めた。

 貴重な実戦機会を失った。この日、横浜とのオープン戦は、試合前練習中に中止が決定。冷たい雨が降った平塚球場の気温は5度。寒さの影響か、試合前のフリー打撃を行う松中のスイングはどことなく力なかった。「首脳陣にも(プレーできることを)示さないと。簡単に開幕スタメンはつかめない」と、本人も恨めしそうにベンチ裏から空を見上げた。

 6日の巨人戦(福岡ヤフードーム)で、昨年10月4日の日本ハム戦以来の実戦出場を果たした。5カ月ぶりの限定1打席で三ゴロに終わったが、右ひざの順調な回復をうかがわせ「開幕4番」に近づいたかに見えた。ただ、翌7日の試合も1打席限定。「要は足の不安が無くなるかどうか」と秋山監督。不安なく全力でベースランニングができない限り、フル出場の無理はさせられない状況は変わらず、さらに天候が追い打ちをかけた。

 ただ昨年10月の右ひざ手術以来、主砲の「開幕4番」での出場意欲は一貫してぶれていない。「先週から(雨が降ることは)わかっていること。寒かったりするとあれだけど、温かければドンドンいく」。10日からの5連戦で調整ピッチを上げる考え。それでも、すべて屋外5試合だけに、ひざには天敵の寒さとの戦いもある。「ホットクリームとかを使って対応する」と、悲壮なまでの決意で開幕4番を目指す。

 秋山監督は「ランナーに出たら別だけど、凡打ならもう1打席立てる。4打席?

 本人次第」と、少しでも打席出場を増やすサポートをしていく考え。現状のペースでは開幕スタメンをつかむチャンスは少ないが、苦しいリハビリを乗り越えることができた最大の目標であるだけに、松中は最後までスタメンをあきらめない。

 [2010年3月10日11時19分

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