<横浜6-9ソフトバンク>◇10日◇横浜
やっと出た!
ソフトバンク小久保裕紀内野手(38)が開幕態勢を整えた。10日横浜戦(横浜)で実戦29打席目にして初ヒットとなる左前適時打を放った。主砲のお目覚めを祝うかのように、打線は今季最多の13安打、9得点の猛攻で逆転勝ち。ファンを安心させる一打を放った鷹の主将が、10年シーズンの1歩を踏み出した。
小久保が笑った。29打席目でようやく笑うことができた。7回表。1点差に迫り、なおも1死一、三塁。派手な一打ではなかった。こつこつ積み重ねてきた努力を示すように、ゴロで三遊間を打球は抜けた。同点の左前適時打。オープン戦開幕以降、初ヒットだ。代走を告げられ、三塁側ベンチ前でナインとハイタッチ。純粋に喜べた。
小久保
(今までの)打席でも悪くなかったので。気持ちの悪さはあったけれど。
焦ってはいなかった。17年目の今季も、自主トレ、キャンプ、オープン戦通じてやるべきことをこなしてきた。実戦では球筋を見て、投手との勝負の感覚を養ってきた。新たな段階に入ったのは、初安打を生んだ4打席目。「初球を振りに行ってなかったので、あの打席は初球から行こうと思った」(小久保)。得点圏に走者を置いての打席。打点をあげることを重視し、甘い球を初球から打っていった。
小久保の一打は打線の流れを生む。7回の攻撃は主将の一打で5連打となった。打者一巡、11人を送り込む猛攻。1イニング5得点も今オープン戦初めてだ。まるで小久保の人となりを表すかのように打線はつながった。
2月春季キャンプで小久保は初日から22日連続で外食に出かけた。時には若手選手に呼びかけ、時には関係者と時間をともにした。チームを1つにまとめようと、グラウンド外でも“努力”を惜しまなかった。この日の打線爆発も当然と言えた。
鷹ファンも、ホッとひと安心に違いない。主将の復調を確信していただけに、秋山監督も「そりゃ打つだろ」とコメントは短かったが、表情には笑みが浮かんだ。もちろん、球団関係者も主将の一打に笑顔の連続だ。この日、都内でベースボールミュージアムの記者発表を行った王会長も「小久保もヒット出たし、打点もついていたようだね。経験者は開幕が近づくにつれ、調子を上げる」と安どの笑顔だ。
小久保
ホッとした?
いや、そこまではない。シーズンは144試合ある長丁場。残り4試合で、ちゃんと自分のスイングができているチェックをする。
ど派手なアーチではなかったが、背番号9が、確かに長い戦いをスタートさせた。【松井周治】
[2010年3月11日11時52分
紙面から]ソーシャルブックマーク



