阪神金本知憲外野手(41)が、本拠地・甲子園から10年シーズンのスタートを切る可能性が高まった。10日、球団関係者が明らかにした。2月のキャンプからここまで、紅白戦を含めた実戦出場はなし。当初はチームがベスト布陣を敷く予定の16日東京遠征からオープン戦出場を見込んでいたが、順調な仕上がり具合が考慮され、さらに実戦出場が前倒しされる見込み。7年連続の開幕4番が決定的なアニキが、本拠地からプロ19年目のスタートを切る。

 虎党にとって、これ以上の朗報はない。ここまでじっくり調整を続けてきたアニキが、本拠地・甲子園を舞台に10年シーズンのスタートを切る可能性が高まったことを、球団関係者が明かした。

 「天候がよく、本人の状態も良ければ、13日か14日の甲子園で打席に立つんじゃないかな。そこでワンステップを踏んで、16日から本格的に(チームに)合流という形になると思う」。

 13日の出場となれば、今年の開幕カードでもある横浜戦。代打出場になるとはいえ、絶好の予行演習となる。また、14日にずれ込んだ場合でも、相手は現在リーグ3連覇中で、今年もV候補最右翼に立つライバル巨人と、今季初実戦にはもってこいの相手だ。

 オフに手術を受けなかった今年は過去2年と比べても、雲泥の差。当初屋内の16日東京ドームからの関東遠征に照準を合わせていたが、さらに前倒しされるとなれば、調整が順調そのものに進んでいることを意味する。

 過去2年、金本はオフに入って受けた左ひざ手術の影響で、キャンプ序盤から完全別メニュー調整が続いた。08年は3月中旬の関東遠征から指名打者などで実戦復帰を果たしていたが、2度目の手術明けとなった昨年は1試合もオープン戦に出場しないままシーズンイン。いわばぶっつけ本番状態で戦っていた。

 しかし今年は2月1日のキャンプインからフルメニューを消化。第1クールでは、過去2年には見られなかった守備練習にも参加するなど、元気な姿でプロ19年目をスタートさせた。第3クールでは新井と並んでランチ特打で汗を流し、1キロもするマスコットバットで94スイング中23本もの柵越えを記録するなど、圧倒的なオーラで存在感を発揮した。これにはケージ越しで見守った真弓監督が「今年が一番調子がいい。4番を替える必要はない」と断言するほど、順調なキャンプを送ってきた。

 あとは投手との間合いなど、細かい部分の確認作業を行うところまで仕上げてきている。オフの契約更改では「今年はプロに入って一番、優勝に対する結束力が選手間で強い。これを維持したまま、優勝に向かっていきたい」と話した金本。その思いを体現するための実戦スタートが、もうすぐそこに迫ってきた。

 [2010年3月11日12時6分

 紙面から]ソーシャルブックマーク