<オリックス7-2阪神>◇11日◇京セラドーム大阪

 岡田オリックスが新・勝利の方程式の1つ「NHK」を本拠地で初披露し、真弓阪神に快勝した。1軍未登板ながら岡田彰布監督(52)の秘蔵っ子、延江大輔投手(21)が5回から登板し平野佳寿(26)-小松聖(28)への0封リレー。もう1人の「K」加藤大輔(29)も1失点も復調気配。打線も1発に3連打、足技も駆使して中盤までに7得点を挙げて逃げ切った。古巣阪神にオープン戦連勝した。3月20日の楽天との開幕戦では金子千尋投手(26)の開幕投手も決定した。

 阪神に連勝した岡田監督は当たり前よ、と言わんばかりだった。対決ムードをあおろうとする報道陣の「阪神の印象は…」という質問に、「リーグちゃうし、印象なんて持つ必要なんてないよ。交流戦前に考えるわ。これからパ・リーグなんやから」と含み笑いで返した。古巣とはいえ、他球団に特別な関心を持つ意味がなかった。

 横綱野球で押し切った。4回。先頭カブレラが緩いカーブを軽く左翼席に運び、オープン戦1号。「開幕まで心配することはない。4タコでも関係ない」と胸を突き出す主砲。ラロッカの内野安打から3連打で続き、さらに2点を加えた。5回は四球の坂口が赤田の打席でランエンドヒットを成功させ、後藤の遊ゴロで1点を奪った。強弱つけた攻撃パターンからオープン戦最多の15安打で7点を奪った。

 リードを奪い、逃げ切るのが阪神時代からの必勝パターンだ。先発岸田が4回4安打1失点で滑り出すと、「NHK」リレーに入る。5回、変則左腕延江が2死一塁から連続四球で満塁のピンチを迎える。荒れ球という特性がマイナスに働いたが、ベンチで泰然としていた。「投手コーチがだれか用意させましょか、言うから、何言うとんねんって」と笑った。続投の延江は3番鳥谷に顔面すれすれに投げ込んでから、最後は空振り三振に切った。「余裕がありませんでした」と延江は振り返ったが、制球力に目をつぶり、サイドスローからナチュラルに変化する長所を伸ばす方針はブレなかった。右の平野、小松も無失点で「NHK」が安心のリレー。もう1人の「K」こと加藤は1被弾も球に力強さが戻ってきた。「最後にウイニングボールをもらうんは気持ちがええもんや」。9回のレスターも合わせ開幕ギリギリまで試行するが、目指す方程式の「答え」は見えつつある。【押谷謙爾】

 [2010年3月12日8時20分

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