<楽天2-4ヤクルト>◇13日◇静岡

 阪神からFA移籍したヤクルト藤本敦士内野手(32)が驚異の粘りを見せた。1回2死一、二塁から岩隈のボールに食らいついた。カウント2-1から6球連続、計9球をファウルで粘った。最後はフルカウントから真ん中高めの直球を振り抜き、右中間を真っ二つに破る2点二塁打だ。球界を代表する右腕から15球を投げさせ「いい練習になりました」と笑み。

 阪神時代の05年7月5日ヤクルト戦では、河端(現ヤクルト広報)から8球連続でファウルで粘って甲子園をどよめかせた。新天地でも、持ち味の執念は健在だ。それでも「もっと前に仕留めないといけないボールがあった。クソボールにも手を出してしまった」と向上心を忘れない。正遊撃手の筆頭候補が、いやらしさを全開に突き進む。【由本裕貴】

 [2010年3月14日9時37分

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