<オリックス1-2巨人>◇13日◇京セラドーム大阪

 3月20日のパ・リーグ開幕まで1週間と迫る中、オリックス金子千尋投手(26)は巨人打線から7回で10三振を奪い、2失点と上々の仕上がりを見せた。

 オリックス金子がオープン戦ラスト登板となる巨人戦で奪三振ショーを演じた。初回無死一塁から松本、小笠原、ラミレスを、4回も無死一、二塁から亀井、E・ゴンザレス、阿部と昨年の日本一打線を大向こうに回して豪華な3者連続三振を2度マーク。「ある程度投げたいところに投げられた」。18・44メートル先にある3次元空間を完ぺきに支配。3回は「あれだけが失投」と坂本にソロ本塁打を浴びたが、7回7安打2失点、10奪三振。「3・20」の慣らし運転を余裕たっぷりに済ませた。

 オープン戦3試合で17奪三振(15イニング)はソフトバンク杉内に次いで2位。奪三振率は10・20と驚異的なペースにも金子はぜいたくな悩みを口にした。この日は7回で124球。「できれば三振は取りたくない。球数が増えるんで。打たせて取れば1球で終わるチャンスがあるし、三振は3球以上いるから」。チームの優勝と、個人的には年間10完投など完投能力の高い投手を評価する沢村賞を目標に挙げる。昨年の5完投から倍増を狙うには省エネがテーマ。エースの高い意識はジレンマも生んだ。

 岡田監督は11日の激励会で約1100人の来場者の前で金子の2年ぶり開幕戦登板を公開予告。20日は本拠地で楽天岩隈との投げ合いとなる。指揮官は「もう十分や。6回で代えよう思うたけど、もう1回行くていうからな。エース同士?

 全然、大丈夫な感じやった」とべた褒め。「阪神みたいな大人のチームとは違う。若い、このチームは開幕ダッシュが必要」と常々、説いてきた。新生オリックスの第1走者がついにスタートラインにつく。

 [2010年3月14日11時32分

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