開幕1軍が確実な日本ハム中田翔内野手(20)に15日、激しい「愛のムチ」が入った。千葉・鎌ケ谷での全体練習に参加。打撃練習では梨田監督ら首脳陣が付きっきりで、熱血指導を受けた。開幕1軍が正式決定するオープン戦最終戦(対中日)が16日に行われるが、土壇場まで情熱を注がれ、目覚めのきっかけをつかんだ。

 中田が打撃ケージに入ると、鋭い目に周りを包囲された。梨田監督、福良ヘッド兼打撃コーチに、山田GMまでもが、じっと網目越しに見守った。陽と2人だけ居残り特打を敢行。中田は「感覚的にはいい感じ。それを続けて練習の中でつかんでいければ」と満足したが、梨田監督は厳しかった。「今の打撃フォームでは打てない。それは太鼓判を押せる」。

 そんな指揮官の危機感が、チーム首脳トップ2を動かした。中田は稲葉らの打撃を手本に、体重移動の方法などを指導された。「梨田さんと福良さんに、こっち(右足)を使っていないといわれた」。ラスト1戦で不振を抜け出し、開幕へ-。首脳陣の執念を感じたこの日、数々の助言に耳を傾けながら黙々とバットを振り続けた。

 プロ入り3年目で初の開幕1軍は目前に迫った。気を引き締めた中田は「そりゃ(先発で)出たいですよ。でもそれは監督が決めること。とりあえずは(1軍に)残ることが第1目標。それから試合に出ることを考えていきたい」。最後の最後まで周囲のゲキを受け、開花の予感の春へと突入する。【石井克】

 [2010年3月16日11時21分

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