<巨人6-7阪神>◇16日◇東京ドーム

 巨人山口鉄也投手(26)の東京ドーム初先発は、試練の登板となった。先発したが、4回2/3を投げ6安打2失点。プロ初となる1試合2本の本塁打を浴びるなど、課題の残る内容となった。それでも08年の46球を大きく越える自己最多83球を投げ、中継ぎから先発転向への関門を1つクリアした。

 最後はもがき苦しんだ。あとアウト1つで勝利投手の権利を手にする5回2死、試練が始まった。関本、鳥谷、金本に3者連続四球。「四球が続いたところで疲れがドッと来た感じ。上体で投げてしまった」と振り返った。原監督が球審に投手交代を告げると、ベンチに戻り汗のにじんだ顔を悔しさでしかめた。昨季は球団記録の73試合に登板して鉄人ぶりを発揮したが、シーズンではなく試合を通じてでは勝手が違った。

 試練の登板だったとはいえ、山口の先発転向は日本一連覇のカギを握るポイント。原監督も「今日は80球を投げるということだったので。5回もたなかった?

 そういう論点では見てないよ」と結果は度外視した。開幕まで残り9日。自ら「1イニングを全力で投げて、体力をつけていきます。いい勉強になった」と新たな課題を設定した。次回、文句なしの投球を見せれば、晴れて“先発山口”が完成する。【小松正明】

 [2010年3月17日8時34分

 紙面から]ソーシャルブックマーク