真弓阪神が3月26日の開幕横浜戦(京セラドーム大阪)から、救援陣の最大9人制を検討していることが19日、分かった。フォッサムや久保、下柳ら先発陣がオープン戦で安定した結果を残せていないことを受け、首脳陣が検討。救援は本来なら6~7人待機が通常だが、先発が早々に崩れる最悪の場合も想定し、上園、西村らを第2の先発として待機させる構え。先発陣が安定するまでは救援陣動員でしのぎ、開幕ダッシュにこぎつける作戦。窮余の一策はウルトラEとなるか。

 不安が残る先発陣の現状を踏まえ、真弓阪神がウルトラEを練っていた。26日の開幕横浜戦から、救援陣9人の異例布陣も検討していることが判明した。本来、1試合におけるブルペン体制は6~7人程度。だが阪神球団史上でも例を見ない救援陣の大量動員を敢行し、難局を打開する方針。合言葉は“みんなで球児までつなげ”だ。

 開幕までちょうど1週間。先発陣は安藤、能見、小嶋と対照的にフォッサムをはじめ久保、下柳らが安定した結果を出せていない。真弓監督は18日の横浜戦で久保が6回8失点と炎上した際、ローテ再編の可能性について「練り直す余裕もない」とコメント。そこで先発6人衆はそのままに、投手陣の“補強策”として浮上したのが中継ぎの大量動員だ。1試合の投手陣のベンチ入り10人の内訳は、先発の予備を入れて2人にした場合は救援が8人、先発だけなら救援は9人することも可能だ。

 先発が早い回で崩れそうになった際には、惜しみなく待機している救援陣を投入する。いわば第2の先発だ。その役割を担う候補は、オープン戦終盤から上り調子の上園や、オープン戦4試合連続無失点の2年目西村ら。またこの日、ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(鳴尾浜)で1回無失点など、復調気配の福原ら2軍調整中の実力者が昇格すれば、救援9人体制が整う。

 開幕1、2カード目だからこそ可能な作戦でもある。これまでの阪神をはじめ、開幕当初は野手を多く入れ、先発する投手との入れ替えで登録と抹消をするケースがほとんど。だが今回はその逆で、野手を減らして投手を多く入れる。昨年開幕時に17人だった野手は捕手を含めて15人になるとみられる。これも城島らの加入で分厚くなった打線が、好調だからこそなせる業だ。

 もっとも、先発が本来の力を発揮してくれれば、すべては杞憂(きゆう)に終わる。だが真弓監督にとっても勝負の2年目。危機管理もしっかり、打てる限りの策を打っておくのも指揮官の務めだ。球界でも異例の救援陣大量投入で当面をしのぎ、先発陣の復調を待つ。真弓阪神が奥の手を駆使し、開幕ダッシュに挑む。

 [2010年3月20日11時51分

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