完全に戦闘モードに入った。京セラドームでの前日練習、横浜尾花高夫監督(52)の表情は厳しく、感情を押し殺すかのように「現時点で気持ちの高ぶりはないが、朝になったら分からない」と口を開いた。選手のアップ中でも静まりかえっていたグラウンドが、ピリピリムードを表していた。

 表情が緩んだのは一瞬だけだった。阪神のキーマンを「金本と城島」とした上で「(対策は)ちゃんと終わっています。あとは結果がどう出るか」と自信をのぞかせた。1週間前から連日2時間のミーティングでライバル球団を分析。チーム関係者も「去年までは試合当日だけ。違うなんてものではない」と驚く。アナライジング・ベースボール(分析野球)はだてではない。

 08年は開幕5連敗、09年は6連敗。横浜はスタートダッシュに失敗してきた。尾花監督の「強いチームにはただの1試合だが、ベイスターズにとっては大事な試合」という言葉は重い。横浜が勝てば開幕勝利は03年以来7年ぶり。今季の命運を占う一戦だ。

 [2010年3月26日9時32分

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