<中日7-0広島>◇27日◇ナゴヤドーム

 中日和田一浩外野手(37)が自身7本目の満塁弾を放ち、チームに1日遅れの初勝利をもたらした。6回無死満塁で、広島先発ジオのストレートを左翼スタンドにたたき込む2戦連続のアーチ。勢いづいたチームは7回にも3点を加え、チェンの4安打完封勝ちをアシストした。不動の5番打者に導かれ、落合竜が息を吹き返した。

 快音が響いた瞬間、ナゴヤドームのボルテージは最高潮に達した。セサル、森野、ブランコが3連打でつないで迎えた6回無死満塁のチャンス。広島ジオが投じた高めの139キロ直球を、和田がこん身のスイングでつかまえた。打球はグングンと伸びて左中間スタンドにズドン。三塁ベースを蹴った和田は、本塁付近で待つチームメートと視線が合うと、わずかに笑みを漏らした。自身7本目の満塁弾は、長嶋茂雄氏らに並ぶ史上34位の記録となった。

 和田

 打った瞬間、ホームランかなと思った。高めの球は積極的にいこうと思っていた。(先発の)チェンの出来がすごく良かったので、1点でも取れば勝てるなと思っていた。みんながつないで良い状況だったので結果が出て良かった。

 フリーズしてしまった中日打線を和田が解き放った。26日の同カードでは5安打1得点と打線がつながらず、4年ぶりに開幕戦黒星となった。得点は和田のソロだけ。落合監督も「相手が良かったと言うよりも…、硬い!

 勝ったとか、負けたとかじゃなく、うちは硬い」と話していた。この日も試合途中まで攻めあぐねていた打線を、またも和田が勢いづけた。

 和田

 順調にスタートはできたかなと思う。たまたま、うまくいっただけ。毎年、やってみないと分からないことが多いので。まあ、自分自身は精神的には楽にはなったんじゃないかなと思う。チームの硬さ?

 とれたと思います。

 2年連続となる全試合出場を目指している。そのためにも体調管理は徹底している。腰に不安も抱えているが、試合後には入念にケア。食事も家族の協力を得て、バランスのとれた食事をとっている。「体調管理?

 そこだけはしっかりしている。体調自体は順調に来ているし、体も動けている。2試合連続本塁打?

 逆に言えばまだ2試合。この先はまだまだ長い」。頼れる5番打者がチームを乗せた。【桝井聡】

 [2010年3月28日11時24分

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