今季から外野手に挑戦中の日本ハム中田翔内野手(20)に、新たな“相棒”が加わる。先輩稲葉のグラブを参考にした、手のひら部分の革紐が縦にとじてあるタイプのグラブを発注。近日中に試合で使用する考えだ。4年連続ゴールデングラブ賞を獲得している名手と同タイプのグラブで、課題の外野守備のレベルアップを図る。

 “ゴールデングラブ”を手にし、外野守備をさらに確実なものにする。中田は特注した新しいグラブについて「手のひらの部分のひもが縦になっている、縦とじタイプ。稲葉さんのグラブがそうなっていて、話を聞いたんです」と説明した。近日中に試合で使うため、現在は守備練習で使用して感触を確かめている。

 手の甲側ではなく、捕球する面の手首に近い部分、いわゆる「土手」と呼ばれる部分を通る革ひもに特徴がある。通常市販されているグラブは親指側と小指側をひもがまっすぐに横向きに走っているが、それを縦向きにしたものだという。ミズノの担当者によると「プロでは一部の投手や外野手で使用している選手はいますが、主流は横とじのものです」と、希少品であることを明かした。

 ひもを縦にする効果について、4年連続ゴールデングラブ賞を獲得中の稲葉は「僕の場合、小指と薬指を(同じポケットに)入れていることもあって、縦とじの方が握ったときに(ボールが)こぼれにくい」と話す。特注グラブは、横とじのものよりも開く面積は減るが、その分深さが出る。内野手と違って主にフライを捕球することが多い外野手にとっては、グラブのどの部分で捕ってもスッポリとおさまりやすく、十分なメリットになる。また中田は「(捕球面の)革がシワにならないのもいい」と利点を説明した。

 開幕戦で「7番左翼」を勝ち取ったものの、スタメン出場は相手先発投手が左腕に限定されているのが現状。先輩に刺激を受けて特注したグラブは、「打撃だけじゃなくて、守備も走塁もすべてアピールしたい」と言い続ける中田の心強い味方となる。【本間翼】

 [2010年3月30日9時54分

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