交流戦首位タイのオリックスは8日、星野伸之投手コーチ(44)が体調不良のため休養すると発表した。以前から治療していた自律神経疾患が悪化し、7日に球団へ休養を願い出ていた。代わって小林宏育成担当投手コーチ(39)が1軍担当として昇格。岡田彰布監督(52)は「おれが指示する形の方がいい」と“投手コーチ兼任”の姿勢を打ち出し、非常事態を一丸で乗り切ることになった。

 日本記録の10者連続安打で交流戦首位タイ、勝率5割復帰と勢いに乗り始めたオリックスに衝撃が走った。星野コーチは広島に快勝した7日、球団に体調不良を理由に休養を申し出た。この日は病院で検査を受け、当面の休養が望ましいと診断された。「我々としては非常に痛い。ただ、体が第一です。以前から自律神経の関係で薬を飲まれていたとのことで、徹底して治していただく形にした」。突然の出来事に村山球団本部長は心配そうに話した。

 スカイマークスタジアムで行われた指名練習はブルペン担当の清川投手コーチが1人で指導にあたった。岡田監督は「阪神のコーチ時代にも倒れたらしい。昨日も(試合後のホテルで)メシを食べに来てなかったし。薬飲んでんの知らんかった。これは本人しか分からんしなあ」と暗い表情。「ちょっと投手陣がマシになってきてたからな」と、星野コーチを思いやった。

 球団は育成担当の小林投手コーチを1軍昇格させる緊急人事を決定。星野コーチと同様に、指揮官の横で試合状況を見ながらブルペンと連係をとるベンチ担当になる。ただここまでのチーム状況を把握する時間がないこを踏まえ、岡田監督は自ら投手コーチを“兼任”する考えを打ち出した。

 岡田監督

 小林をベンチに入れて、オレが、誰が投げるのかは(決める)な。全部な。(ブルペン担当の)清川をこっち(ベンチ)入れると、2人とも初めてになる。また一からになってしまうし、慣れたポジションでな。

 野手出身の監督が投手部門を“兼任”するのは異例だが、1対1で指導した小松のフォーム修正に成功した実績もある。9日巨人戦から合流する小林投手コーチの初期負担を減らすため、先発ローテの編成、コンディション管理、投手交代など、積極的に動く構え。投手強化に情熱を燃やす指揮官が、緊急事態でひと肌脱ぐ。【押谷謙爾】

 [2010年6月9日11時54分

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