<オリックス4-2巨人>◇10日◇スカイマーク

 オリックスが、セ・リーグ首位の巨人を倒し、交流戦の首位タイに浮上した。1点を追う8回、1死満塁から北川博敏内野手(38)と、アーロム・バルディリス内野手(27)が連続適時打を放ち、一気に3点を奪って逆転した。7日の広島戦で、プロ野球新記録となる10者連続安打を放つなど交流戦トップのチーム打率を誇る打線が、勝負強さを発揮。阪神に敗れた西武と首位に並んだ。

 オリックス打線は本物だった。1-2の8回1死一、二塁からT-岡田が右ひざへの死球に歯を食いしばって一塁に歩く。打席には今季9年ぶりに満塁本塁打を放っている北川だ。「ベンチも落ち込んだ感じはなかった。このところ中盤に何とかしてるんで」。越智のフォークをたたき三遊間を破る同点打。続くバルディリスもフォークをたたいた。前進守備の小笠原の頭上を高いバウンドで越える2点適時打。一気呵成(かせい)の逆転劇だった。

 8回の攻撃の口火を切った下山、左中指脱臼からの復帰戦となったバルディリスはこの日1軍登録。「下山も調子良さそうやし、バルは次の横浜戦からと思ったけど、昨日(2軍の)1試合で良かったから。旬の選手、調子のいい選手を使わんとな」。岡田監督は選手の「おいしい」時期を見逃さない。旬の素材を生かし、逆転勝ちという最高の料理へと導いてみせた。

 旬を大切にする岡田監督は1、2軍入れ替えも即決即断で、今季すでに延べ80人に達した。勝ちながら、緊張感を与え、チームの鮮度も保ってきた。勝率5割、そして交流戦の順位を首位タイに戻した。順位表の頂点を意味する2文字を禁句にしている同監督が残り2試合に向け、力強く言う。「1試合1試合、いい形で。横浜戦は全員で、もう出し惜しみしないで、力を出したい」。そして「最後はいい形で締めたい」と。オリックス史上初の“アレ”は現実味を帯びてきた。【押谷謙爾】

 [2010年6月11日8時45分

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