<楽天1-3ヤクルト>◇13日◇Kスタ宮城

 ヒーローインタビューに応えるヤクルト由規投手(20)に、楽天ファンからも拍手がわき起こった。8回途中5安打1失点の快投を披露し、地元仙台で初白星だ。「正直、シーズンが始まる前から、ここで投げたくてウズウズしてました」。古巣「北六バッファローズ」ナインからの「ヨシノリセンパ~イ」コールにも、満面の笑みで応えた。

 プロでは2度目だが、仙台育英時代に何度も登板したマウンドで、代名詞とも言える最速155キロの速球で魅了した。128球中、実に半数以上の76球が直球。うち49球が150キロ超の剛速球だ。4回先頭の聖沢に初安打を浴びるまでは、39球すべて直球。「高校でも、こんなにストレートを投げ続けたことはない。(捕手)相川さんを信じて、気を抜かず思い切っていきました」。5四球と乱れた前回登板のロッテ戦後、荒木投手コーチ、相川とビデオで投球フォームを確認。100球を超えても150キロを計測する、力みのないフォームへの修正に成功した。

 7回1失点ながら敗戦投手となった09年に続く田中との投げ合いで、リベンジにも成功した。「表情を見てても『絶対に打たれてたまるか』という感じ。その中でも、力みのない投球ができる。ずっと前から追い求めてきた人なので、自分の中では価値のある1勝です」。1歳年上の先輩右腕との決戦を、さらに糧にすることを誓った。

 これでチームも4連勝で、横浜を抜き最下位脱出。小川監督代行は「彼も若いし、どんどんストレートで押していってもらいたい」と、巻き返しの核となる若き右腕のさらなる成長を期待した。【由本裕貴】

 [2010年6月14日7時46分

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