プロ野球が、支配下登録選手を現在の最大70人から拡大する可能性が出てきた。7日、都内で12球団代表者会議が開かれ、巨人清武代表が「故障者が出た場合、故障者枠を設けてはどうかという案が出た」と話した。現在のルールでは支配下登録選手以外は1軍の試合に出場できない。清武代表は「例えば2人故障者が出た場合、一時的に育成選手や外国人を2人使えれば」と話した。

 米大リーグでは、DL(故障者リスト)入りした選手の人数分だけ、一時的にメジャー登録枠を広げることができる。日本球界も「故障者枠」導入となれば、育成選手など若手の出場機会を増やすこともでき、球界全体のレベルアップにつながる。

 ソフトバンク王貞治球団会長も、これに賛同した。「ぜひつくってもらいたいね。よりよい野球をファンに見てもらうというのが、我々プロ野球の目的だからね。今は実際にケガというのが多いんだよね。そういう状況に対応できるように手を打つべきだと思う」と前向きに話した。

 ファンを満足させるだけでなく、ファームのレベルアップにもつながる。現在イースタン7球団、ウエスタン5球団と東西格差があり、ウエスタンは試合数が減少している。王会長は「今は育成という制度があるが、ファームの試合には出られるが、1軍の試合には出られない。そういうの(故障者枠)ができれば、我々にすれば助かるね」と話した。球団の資金力による選手層の格差が懸念される一方で、現場の強い要望が出たことで実現の可能性も高まってきた。

 [2010年7月8日9時3分

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