<阪神6-10ヤクルト>◇8日◇甲子園

 阪神安藤優也投手(32)の1軍復帰2度目のマウンドに待っていたのは、悪夢だった。4回に自己ワーストの1イニング7失点を記録し、4回9安打9失点でKOされた。

 安藤はバックスクリーンに視線を送り、ぼうぜんと立ち尽くした。「甘かったな。甘かった」。4回に3点を失い、なお2死満塁のピンチ。4番畠山には3球外角攻めを続け、4球目も要求は外角低めだった。だが、スライダーが高めに抜けた。フルスイングされた打球は、バックスクリーン左横へと消えた。プロ初の満塁被弾。スコアボードに「7」がともった。マウンド上で1人時間が止まったように動かない背番号16に、容赦ない罵声(ばせい)が浴びせられた。

 真価が問われるマウンドだった。復帰1戦目の1日中日戦(甲子園)では、7回6安打1失点。直球も148キロを記録し、白星まであと1歩まで迫っていた。この日は、1回にプレゼントももらっていた。プロ未勝利の加藤から、打線が2点を先制した。これ以上のアドバンテージはなかった。だが2回に2死から2失点。そこから立ち直ったかに見えたが、甘かった。勝てば同一カード3連勝、さらには首位巨人に1・5ゲーム差に迫るチャンスを生かせなかった。

 真弓監督は「ちょっと最初の点の取られ方が悪かった」と話した。ただ、このままで終わるはずはない。リベンジのチャンスは残っている。来週から9連戦。次回登板は、15日巨人戦(甲子園)での登板が濃厚だ。3年連続の開幕投手が、プライドをかけてはい上がる。【鎌田真一郎】

 [2010年7月9日11時21分

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