<阪神5-4広島>◇20日◇甲子園

 マウンド上で上野弘文投手(29)がぼうぜんと立ちつくした。延長10回、赤松の適時二塁打で2点を勝ち越し、抑えとして4番手で登板。勝ちはほぼ手中にあったが、代打林にソロ、鳥谷に逆転サヨナラ2ランを浴びて敗れた。野村謙二郎監督(43)は「いいつなぎをしてきたが最後の最後にね…もったいなかった」とうめいた。

 不名誉な記録を更新してしまったが、ゼロ行進の重圧からは解放されていた。この日4回まで無得点で、連続イニング無得点記録が40イニングに伸びた。1959年(昭34)5月16日の大洋(現横浜)戦の1回から24日の阪神戦の2回にかけて喫した38イニングの球団ワースト記録を、51年ぶりに書き換えてしてしまった。

 だが、5回1死から倉の中前打を阪神浅井が後逸。続く代打天谷の初球が暴投となり、ようやく無得点記録を止めた。7回には進境著しい2年目岩本が左翼ポール際へ4号同点ソロを放った。投げては先発斉藤を4回であきらめ、林、大島とつないで阪神打線の攻勢をしのいでいた。10回にいったんは勝ち越し打となる二塁打を打った赤松は「(負けた)責任は僕ら野手にある。早めに点を取ってあげられなかったから。1点の呪縛(じゅばく)からは解放されたけど、もっと早く仕掛けないといけなかった」と悔しがった。

 指揮官も「今季は終盤に競った試合を落としていることが多い。点は取ったけど負けては…うーん、きついですね」と肩を落とした。無得点記録は止めたが、連敗は今季3度目の「5」に伸びた。【高垣誠】

 [2010年7月21日11時43分

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