<中日9-3広島>◇31日◇ナゴヤドーム
広島の若きスラッガー岩本貴裕外野手(24)がまた豪快弾を放った。1点リードした2回、中日の左腕チェンの速球を打ち砕き、バックスクリーンに運んだ。2試合連続の14号ソロ本塁打を放つなど、苦手のサウスポーから結果を残した。最近10試合で8発の量産ぶり。勝てば今季初の月間勝ち越しだったが、完敗して中日戦も7連敗。野村謙二郎監督(43)が監督就任後初めて退場処分された一戦で、確かな収穫もあった。
未来へと伸びる弾道がバックスクリーンに飛び込んだ。好調の岩本が、今度はチェン攻略だ。1点リードした2回1死走者なし。積極的に打てるカウント0-2からの3球目。背番号10は胸中で叫んだ。「来たっ!」。高めの速球を強振すると乾いた打球音を残し、中堅フェンスを越えた。
2試合連続の14号ソロ弾をマークし「甘い球は思い切って行こうと思っていました。力まず、いいスイングができました。球が見えていた部分がある。いい形で打てたかな」と振り返った。勢いは止まらない。最近10試合で8発目。シーズン終盤を迎え、驚異の量産態勢に入っている。左腕からは7月30日巨人戦(マツダ)の藤井以来、今季2本目。苦手のサウスポーから快音を発したのは収穫だ。
戦いはプレーボールの2時間前から始まっている。試合前練習の打撃ケージ。フリー打撃で速球を数球打つと、打撃投手に変化球も投げるよう要求する。真っすぐ、カーブ、真っすぐ、カーブ…。「間合いを取るのも大切なことですから」。始動して一瞬のタメを作る。ピタッと止まり、タイミングを合わせてシャープに振り切る。本番で結果を残すため、6月末の1軍再昇格後から、間合いを図る工夫を重ねてきた。
普段どおりの打撃を終えると、この日は野村監督からのアドバイスが待っていた。「変化球は空振りしてもいいから思い切って行け!」。心を決めた。2回、チェンからのアーチは狙いすました速球だった。4回にはチェンのカーブを右前へ。日ごろの練習の成果が出た格好だ。
前向きな姿勢も爆発につながっている。8月中旬、不調に陥ると、DVDの映像を見て好調時との打撃フォームを徹底比較した。「こんなにも違うんだ…」。バットの入射角度などを修正して、再び調子を取り戻していた。
素質を開花させた8月は88打数24安打で打率2割7分3厘をマーク。8本塁打の固め打ちが充実ぶりを物語る。「こういうのを2、3回と続けていかないといけない」。夏休みは終わったが、愛称“ガンちゃん”のサマータイムはまだ続く。【酒井俊作】
[2010年9月1日11時46分
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