楽天岩隈久志投手(29)が今オフ、ポスティング(入札)制度を利用してメジャー移籍する可能性が浮上した。年間通しローテの軸として回転し、節目の通算100勝をクリアしたエース。メジャー関係者が登板ごとに視察し、実力を評価している。ある米球界関係者は、岩隈について「十中八九、ポスティングすると聞いている」と話した。その上で、同制度を利用してメジャー移籍した日本人投手が実力を発揮しきれていない現状を指摘した。「流動的ではあるが入札となった場合、手を挙げる球団が最低1つはある」と推移を見守っている。

 6月に国内移籍が可能なFA権を取得した岩隈は、今季が3年契約の2年目。今オフにメジャー移籍するには、球団の許可を得た上でポスティング制度を利用するしか方法がない。岩隈は12日、「順位が決まっていない以上、何も言えない。チームが勝つため、残り登板に全力を尽くす。(メジャーへの)気持ちが全くないと言えばウソになり、選択肢の1つではあるので、すべて終わってから考えます」と進路について封印し、従来通りシーズンに集中する姿勢を強調した。

 楽天にとって、創設元年から屋台骨を支える選手会長の存在は、もはやエースの枠にとどまっていない。来季の巻き返しは岩隈抜きで考えられず、球団幹部は「いなくなられたら困る。彼との契約は残っている」と現実的な意見を述べた。

 [2010年9月13日12時5分

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