<横浜1-2阪神>◇16日◇横浜

 阪神金本知憲外野手(42)が「先発落ち」を志願していたことが16日、明らかになった。打撃不振を理由に、15日の横浜20回戦(横浜)をベンチスタートさせた真弓監督は、試合後に「肩の状態が良くないから、それが打撃に影響している。しっかり治して、早くベストの状態に戻してくれるのがいい」と説明したが、実際は金本自らが先発を外れる意思を首脳陣に伝えていた模様だ。

 すべてはチームのことを第一に考える、金本らしい決断だった。先発復帰した7月16日のヤクルト戦(神宮)から随所で、本来の勝負強い打撃を発揮。優勝争いが激化する8月には、5本塁打中4本が先制、勝ち越し、決勝と名の付く殊勲打で、打線の先頭に立ってチームを鼓舞し続けた。

 ところが9月に入って急激にあたりがストップ。13試合で打率1割6分7厘(36打数6安打)、0本塁打、1打点と不振に歯止めがきかず、自ら先発を外れる覚悟を決めた。「9月に入っての1試合は、今まで以上の価値を持つ。1つの試合を全力で奪いに行く」。気合満々で臨んだ「勝負の9月」だったが、自らベンチスタートを選択した。

 15日に続き、この日も代打出場となった金本は、9回に先頭として登場するも、横浜牛田の前に空振り三振に倒れた。今後も当面は代打起用が続く予定で、並行して右肩の復調を目指す。連続試合フルイニング出場が途絶えた因縁の横浜で、またも志願して先発を外れたアニキ。すべては5年ぶりの覇権奪回のため。この思いが、逆転優勝を目指すチームへのカンフル剤となるに違いない。

 [2010年9月17日10時48分

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