<セCSファーストステージ:阪神6-7巨人>◇第2戦◇17日◇甲子園
巨人が阪神に逆転勝ちし、2連勝でクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを突破した。4点ビハインドで終盤に突入。7回、高橋由伸外野手(35)の2ランなどで1点差とすると、8回には2死から阪神の守護神藤川球児投手(30)を攻め立て、アレックス・ラミレス外野手(36)が2点適時打を放って逆転した。レギュラーシーズン3位のチームとしては初の日本シリーズ出場に向けて勢いを付け、20日からはファイナルステージ(6試合制)でリーグ優勝の中日と対戦する。
誰もが必死だった。1点を追う8回、2死と追い込まれても、巨人は一丸で阪神の守護神藤川球に立ち向かった。亀井が2ストライクから粘って四球。小笠原が二塁打で続いた。二、三塁の好機に、打席のラミレスは「本塁打はいらない。なんとかヒットを打つ」と自分に言い聞かせた。初球、高め150キロを見逃しストライク。確信した。「直球よりフォークの方が打てるチャンスは大きい」。続くフォークを空振り。2球で追い込まれたが“球児攻略”の軸はぶれなかった。
3球目、低めのフォークは見逃し、カウント2-1。4球目のフォークを中前に運んだ。見逃せばボール球に腕を伸ばし、拾った。「ワンバウンドだったら空振りしていたと思う。打てる高さに来てくれた」と打ち明けた。長打を捨てた本塁打王の泥臭さが勝った。二塁走者の小笠原は「もがきながら必死に走ったよ」と激走し、亀井に続いて逆転のホームを踏んだ。
6回を終え4点のビハインド。敵地甲子園で、終盤には阪神の鉄板リレーが控えていた。今季、藤川球には10試合で8セーブを献上。防御率0・84と抑え込まれていた。敗色濃厚だった。だが、ここから反撃開始。7回、敵失で1点を返し、なお2死一塁。高橋が久保田の初球、スライダーを右翼席に運んだ。「(バットの)先気味だったけど手応えはあった」。軽く振ったようで、しっかりとらえる真骨頂。08年7月10日以来の甲子園での1発が、逆転劇の号砲だった。
高橋は、流れを変えるアーチにも「結果的には、そうなったかもしれない。でも、試合の流れは積み重ねだから」とクールだった。逆転劇を完成させたラミレスも「(藤川球から四球の)亀井がしっかり見極めて逆転の扉を開けてくれた。あれがなければ、ガッツ(小笠原)も僕の安打もなかった」と自らを誇示することはしなかった。仲間を信じ、線となって点を奪う。リーグV4は逃したが、連覇を目指す日本シリーズへとつながる大一番で、巨人打線の強さが発揮された。
先発朝井が1回2失点で降板するなど、6回まで登板した4投手がいずれも失点する劣勢を、結束力ではね返した。次は王者中日が相手。原監督は「3位のチームがリーグ優勝したチームと戦える。ハンディはあるけども、しっかり暴れてきたいと思う」と力強く言い切った。「この勝利に甘んじることなく準備をしないといけない」。そう即答したラミレスの言葉は、全員の気持ちを代弁していた。【古川真弥】
[2010年10月18日8時52分
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