<セCSファイナルステージ:中日2-3巨人>◇第3戦◇22日◇ナゴヤドーム
クライマックス男が壁を突き破った。巨人の「1番」脇谷亮太内野手(28)が5回2死一、二塁から適時二塁打を放ち、チームのCSファイナルステージ23イニング目にして初得点をたたき出した。3戦で11打数6安打と絶好調の背番号23が、追い詰められたチームを引っ張る。
呪縛(じゅばく)を解いたのは、「1番」脇谷だった。5回2死一、二塁、高めに抜けたスライダーを逆方向へはじき返す。鋭く打ち返された打球は、三塁森野のグラブの上を通過。CSファイナルステージ3戦目で初めて、巨人のスコアボードに「1」を刻んだ。「誰かが突破口を開いていかないといけないと思っていた」。チーム全員の思いを乗せた殊勲打だった。
仲間のミスを助けたい一心だった。1死一、二塁で朝井がバント失敗。下を向いて引き揚げる朝井を横目に、打席に向かっていた。「朝井が頑張っていたし、バントミスで走者を進められなかったので、何とかカバーしたいと思った」。23イニング目の得点は、重苦しい雰囲気とともにミスを犯した朝井を救った。
ちょうど1年前、同じ舞台でお立ち台の中心に立っていた。昨年のCS第2ステージは3試合に代打で出場。3戦目に逆転の適時二塁打を放ち、MVPを獲得した。「3試合で10分くらいしか出ていないのに、僕でいいのかな」とおどけたが、今回のCSファイナルステージでも3試合で11打数6安打。打線が沈黙する中、“クライマックス男”の本領を発揮する。
坂本の代役「1番」の重い看板にも、持ち前の積極性で勝負する。「いつも積極的にいけと言われているので」と自身のスタイルを継続。6安打中、2安打が初球打ち。残り4本は追い込まれる前に、勝負をつけた。思い切りの良さが売りだが、すべて中堅から逆方向。積極性と基本に忠実な打撃を融合した「新スタイル」で安打を量産する。
好調を維持するが、強調したのはメンタルだった。「状態がいいとか、そういう問題じゃない。短期決戦は気合なんです」と力を込めた。「あと3つで(日本シリーズに)いけるんで、3連勝できるようにしっかりやります」。瀬戸際からの反攻劇が脇谷のバットから始まった。【久保賢吾】
[2010年10月23日9時16分
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