日本ハム田中賢介内野手(29)が4日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3年契約の年俸総額7億5000万円+出来高払い(推定)でサインした。今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、チーム1号で来季契約を更改。「ファイターズに愛着があるというのが(理由の)1番」と話した。

 FA権の行使も可能だったが「シーズン中から声をかけてもらって球団の誠意を感じていた。最高の評価をもらいましたから僕は十分」とキッパリ。今季はリーグ2位で自己ベストの打率3割3分5厘を記録し、34盗塁も自己最多。年俸1億9000万円から大幅アップの大型契約で、3年契約は04年の本拠地移転以降の球団最長となった。

 昨オフは複数年の打診を断り1年契約にしたが、FA権取得の今季は球団への愛着もさらに深まり、提示を受け入れた。推定年俸2億5000万円は、野手の今季チーム最高だった稲葉と同等の評価。島田利正球団代表は「球団の方針に忠実に考えて行動できる選手。野球だけじゃなく見本を見せてくれている」とたたえ、主力残留に安堵(あんど)の表情だった。

 将来的なメジャー希望については「とにかく来年優勝することだけしか今は考えていない」と口にした。選手会長職の来季継続を希望している田中は、入団見込みの早大・斎藤に対し「好青年のイメージ。サポートできる部分はできればいいと思う」と歓迎した。不動の1番打者が来季もチームを引っ張る。【村上秀明】

 [2010年11月5日10時42分

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