A・ロッド流調整で30発超えだ!

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が3日、短尺バットでのロングティー打撃を初披露。飛距離を求め、体の軸回転で打つ意識を高めるために導入。メジャー通算613本塁打のヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(35)の調整法を参考に、鷹の主将が調整ピッチを上げてきた。

 プロ18年目のベテラン小久保が、初めての練習を取り入れた。フリー打撃を終えてのティー打撃。通常の34インチ(約86・4センチ)バットの長さの3分の2ほどしかない短尺バットを手にしていた。片手ずつミニバットで球をはじき返し、続いてのロングティー。短尺バットで次々に打ち返す。軸がぶれると力のない打球になり、効果は抜群。直後通常バットに持ち替え、ロングティーでスタンドインを連発だ。

 「(短いバットは)体の近いところに両手を通す練習。軸回転で飛ばす。その後で長いバットでやったら、体に巻き付くような感じがあった」。

 実はこの練習、メジャー通算613発のA・ロッドを参考にしたものだ。1月米アリゾナでの自主トレ場所であるギルバートコミュニティーカレッジ関係者に、ヤ軍の主砲が短尺バットでフリー打撃するのを聞いたという。昨年シーズン最多の214安打した阪神マートンはティー打撃に取り入れている。

 30本塁打超へ、どこまでも貪欲だ。打撃フォームではトップで左手を伸ばす感覚を強めている。短尺バットは前日のうち、チームスタッフに準備を依頼し、B組から取り寄せた。ロングティー直前のフリー打撃では、新練習法を待ちわびるかのように、この日まで右打ちで慣らし段階だったが、左方向に3本の柵越え。一気に調整ピッチを上げてきた。

 守っては、一塁で大砲カブレラとの争い。この日初めてシートノックが行われたが、小久保はシーズンを思わせるような軽快な動きをみせつけた。守備練習中、カブレラとは愛情を込めて互いにやじり合うなど2人のハイレベルな争いが、チームの競争の激しさを物語っている。高い守備力だけでなく、勝負強さと豪快打撃でカブレラをDHに追いやる決意だ。

 「何でもいいものは取り入れないとな」。

 放物線を数多く描くため。日本一へチームをけん引するため。初メニュー導入にも、主将小久保に迷いはない。

 [2011年2月4日11時26分

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