ヤクルトのドラフト2位、「バカボン」兼「チリガミ王子」、七条祐樹投手(26=伯和ビクトリーズ)が、海で2度死にかけたことがあると仰天告白した。1軍キャンプ休日の5日、たった1人で沖縄・浦添市の市内観光。車エビの養殖所やさんご養殖場などを見学するうちに、テンションが上がってきた。「サンゴとか海のものが好き。サザエを取ろうとして、2度ぐらい死にかけたことがあるんです」。

 故郷宮崎は、目の前に大海原が広がる環境だった。少年時代は「素潜りでアワビ、サザエを取って、しょうゆを持って行って食べました。あれが一番おいしい」と野性児だったことを告白。ある時は帰りのことを考えずに、3メートル以上深く潜って獲物と格闘するうちに、水面に戻って来られなかったという。「やばいと思って必死に泳いで、水面に太陽の光が見えて何とか助かった」と懐かしんだ。

 試合前に素潜りで右手をケガして、監督に怒られたこともある。ハワイへの新婚旅行では、ウミガメツアーで獲物を見つけ、インストラクターより先に海に飛び込んだ。この日は「何に毒があるとか、危険とか勉強になった。自然は怖い」とようやく実感した。

 市内観光ではブルーシールアイスクリーム社長に、新人王獲得で「七条パフェ」を発売する約束までもらった。新人は1軍に1人と気疲れする日々だったが、思わぬきっかけで、海と戦ってきた熱い気持ちを思い出した。【前田祐輔】

 [2011年2月6日9時21分

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