オージーボールで、3本目の柱になる!
ソフトバンク山田大樹投手(22)が、新球ツーシームに好感触をつかんだ。昨季終了後オーストラリアのウインターリーグで習得した新球を、フリー打撃で披露。松田宣浩内野手(27)のバットをへし折った。昨季ブレークした育成の星が、新球を武器にローテに食い込む。
山田が成長した姿を、首脳陣に見せつけた。打撃投手として登板したフリー打撃で、松田のバットを真っ二つにへし折った。冷静な表情を見せたが、内心は「してやったり」だったに違いない。今季用に習得した武器に、計算が立った瞬間だったからだ。
「折れた時の球はツーシームです。変化はカットボールの逆のイメージ。オーストラリアで初めて使って、使えるかなと思って、打者に初めて投げました」。
武者修行が、昨季4勝左腕を大きく成長させた。昨季終了後にオーストラリアでのウインターリーグに参加。ある試合でバッテリーを組んだ捕手の助言で、ツーシームを投げ始めた。
「オーストラリアの球の方が曲がっていたけど、使える手応えはあった。これからも練習で使って、試合で使えるようにしたい」。
先発ローテをシーズン通して守り抜くための狙いが、この新球に隠されている。直球と思いスイングした松田はバットをへし折られ「シュート回転していた」と証言。山田の狙い通りだ。
「ゴロを打たせたい時とか、併殺を取りたい時に使えれば。投球の幅も広がる」。
直球と見せかけて、ベース付近で微妙に変化させ打者の芯を外す。150キロを超える球で三振を奪いながら昨季は4勝を挙げたが、さらなる活躍のために打たせて取る技術も身につけようとしている。
「昨季は何とかやれたけど、1年間活躍できてこそ、だと思う。杉内さん和田さんというお手本がいるので、幅を広げて少しでも近づきたい」。
杉内、和田に続く3本目の柱を目指す。大隣がインフルエンザで出遅れホールトンも故障明けで両エース以外は開幕ローテは未定。それだけに今キャンプでアピールし、ローテを確定させるだけでなく首脳陣の信頼も勝ち取るつもりだ。
高山投手コーチは「バランスよく投げられていた」と高評価を与えた。09年秋のキャンプでその才能を見いだし、育成枠から支配下登録への後押しをした王球団会長も左腕の成長を喜び、さらに期待度を上げた。
王会長
みんなが休んでいる間に(オーストラリアで)やってよかったんじゃないか。収穫があったのが大きい。
山田がオージーボールで、開幕ローテをつかむ。
[2011年2月9日10時55分
紙面から]ソーシャルブックマーク