佑ちゃんが韓国の強豪を本気にさせた。日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が13日の実戦デビュー(名護)で戦う相手、韓国サムスンが「打倒佑ちゃん」に燃えていることが9日、判明した。隣接する沖縄・恩納村でキャンプ中ということもあり、佑ちゃんフィーバーに反応。練習試合にもかかわらず、韓国王者4度の強豪は本気モードで立ち向かうと宣戦布告した。佑ちゃん、危うし?

 か…。

 試運転のはずが思わぬ展開だ。斎藤の実戦デビューの相手サムスンがアドレナリン全開で向かってくる。注目の一戦を控え、この日も日本ハムのキャンプ地名護に隣接する恩納村で精力的に調整。今季から就任した柳仲逸(リュ・ジュンイル)監督(47)は、「今、うちのチームで話題だ。イケメンだし、日本で人気があるのも知っているよ」と含み笑いを浮かべた。

 予習も完璧のようだ。1軍投手コーチは中日で活躍した落合英二氏(41)。教え子たちからの疑問に、答えたという。「なぜこんなフィーバーになっているか。高校時代から説明しました」。06年夏の甲子園で優勝、そして水色のハンカチで汗をぬぐうしぐさが、日本の国民感情を刺激…。斎藤がルーキーにもかかわらず、なぜ注目されているのか。そのバックボーンを、理解させた。

 調整を兼ねた練習試合で、しかも斎藤は中継ぎで1イニング登板予定。それが想定外のビッグゲームになり、選手の士気も全開だ。特に敏感になっているのが、若手有望株の呉正福(オ・ジョンボク)外野手(24)。08年の世界大学選手権で斎藤と対戦し、3打数無安打に抑えられた。レギュラー当落線上で「プロ3年目なので、打つ自信はあります。監督に実力を見せるいい機会」と、佑ちゃんを踏み台にするつもりだ。柳監督も「面白い話なので、呉正福が斎藤と対戦できるようにします」と、対決ムードをあおった。

 投手陣の間では、水色のハンカチを登板中に使用するという挑発的なジョークを仕掛けようと、盛り上がっているという。敬意を払うべきという落合氏の助言で回避されそうだが、テンションは高い。昨季、主に4番を打った崔炯宇(チェ・ヒョンウ)外野手(27)は「ハンカチ王子という話だけ聞いていますよ。監督にアピールするにはこの試合が大事。お客さん、報道陣もたくさん来るので、いい試合を見せたい」と燃え、柳監督も「チームとしてはプロの実力を見せたい」と意気込んだ。シーズン中に対決するならまだしも、利害関係のない外国チームの目の色まで変えさせる佑ちゃんのパワー。13日の初登板がますます楽しみになってきた。

 [2011年2月10日8時51分

 紙面から]ソーシャルブックマーク