バリバリやるかも、バリントン!

 広島の新外国人ブライアン・バリントン投手(30=ロイヤルズ)が11日、沖縄キャンプに入って打撃投手を務めた。石井と倉を相手に40球を投じ、安打性の打球はわずか1本。ネット裏で見守る他球団スコアラー陣も軒並みどよめいた。超優良助っ人のにおいがプンプン漂ってくる。

 193センチの大男が1球投げるごとに、ネット裏からタメ息が漏れた。「ええなあ…」。「これ、やるかもしれんで。リップサービスは抜きにして…」。悩ましげに嘆くのは各球団の偵察部隊。通算2402安打の石井が内角スライダーに空振りすれば、倉は懐をえぐるツーシームに押されてファウル。来日後初めて打者と向き合い、まともに前に打たせなかった。

 中日善村スコアラー

 思ったより球持ちがいいから打者にとって、タイミングをとりづらい。腕が遅れてきて速く感じる。開幕2戦目もあるかもしれない…。

 もっとも警戒心をあらわにしたのは開幕カードで激突する中日007だ。3月25日の開幕投手が濃厚な前田健に続く、2戦目の先発候補に位置づけるほど、力量を認めている。横浜斉藤スコアラーも「手足が長いし、制球もいいし、面白いですね。体が大きいだけに威圧感もある」と評する。まさに絶賛のオンパレードだが、新助っ人は冷静だ。

 バリントン

 いろんな球種を両サイドに投げられたね。アームアクションというか、腕の長さを使う投球をしている。まだ80%くらいだけど肩の状態はいい。

 順風満帆の沖縄キャンプだ。同じく新加入のサファテは8日のフリー打撃登板で最速151キロをマーク。プロ2年目の今村も7日に打撃投手を務めて球威を絶賛された。昨季、リーグ5位のチーム防御率4・80が象徴するように、手薄な投手陣が低迷の一因だった。課題を克服すべき春季キャンプだが、続々と“新鮮力”が登場している。

 バリントン

 開幕までに試合で投げて、多くの打者と対戦して、状態を確かめたい。しっかり開幕に照準を合わせていきたいね。

 盤石の投手陣が、2年目を迎えた野村カープの生命線になる。【酒井俊作】

 [2011年2月12日10時22分

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