中日チェン・ウェイン投手(25)が2軍調整することが16日、分かった。開幕投手大本命の左腕はこの日の練習に不参加で、宿舎で静養に努めた。10日の練習中に痛めた左足内転筋の張りが再発したとみられ、首脳陣は本体を離れて2軍で調整するよう命じた。軽症のもようだが、今回のように

 悪化する余地を残せば開幕に影響を及ぼす可能性もあり予断を許さない。

 午前中、球場に到着した選手バスに背番号21の姿はなかった。練習メニューにチェンの名前は書かれていたが、本人はグラウンドに現れなかった。

 ユニホーム姿のチェンが球場に到着したのは午後2時過ぎだった。それでも練習するそぶりは一切なく、数十分後に帰りの車に乗り込んだ。宿舎では待ち受けた報道陣を避けるようにホテルの裏口から無言で入った。

 関係者の話を総合すると、10日に痛めた左足内転筋の張りが再発したとみられる。練習中に左足内転筋を痛めたが、15日には7日ぶりとなるブルペン投球を再開。「もう全然問題ない。今年のキャンプの中で一番いい球が投げられたと思う」と復調の手応えを感じたばかりだった。患部は思うように回復はしていなかったようだ。

 スッキリしない状況に首脳陣も思いきった決断を下した。練習しながらの完治は不可能と判断し、2軍キャンプ行きを通達。この日のうちに読谷村内の2軍宿舎に移動した。落合監督はかねて「うちはふるいにかけるキャンプ」と話しているが、左の大黒柱も例外ではなかった。

 開幕への影響も心配される。昨季の開幕投手で12勝を挙げた吉見がオフの右肘手術の影響で、3月25日の開幕に間に合わない可能性が高い。昨季チーム最多の13勝を挙げたチェンが開幕大本命とみられていた。そのチェンの離脱が長引けば、開幕投手は本命不在の状況に陥ってしまう。

 球団関係者によると2、3日は経過をみる必要があるが、軽症だという。2軍がキャンプを張る読谷球場で別メニュー調整をさせ、完全回復を優先させる考えのようだ。それでも、実戦がスタートした2月中旬に左腕エースが離脱するのは不測の事態であることは間違いない。12球団屈指の投手力を誇る中日が大きな悩みの種を抱えてしまった。【桝井聡】

 [2011年2月17日10時3分

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