僕もローテ候補です !

 阪神鶴直人投手(23)が16日、練習試合・日本ハム戦(名護)に先発し、3回3安打無失点と好投した。昨季はプロ初勝利をマークするなど2勝を挙げた。今季は開幕ローテ入りが大目標だ。11年初実戦を上々の内容で終え、若虎が突っ走るで~ !

 外野後方には美ら海(ちゅらうみ)。心地よい浜風を浴びながら、鶴が羽を広げた。小気味良い投球が爽やか。これでもかと右腕を振り、開幕ローテ争いに殴り込みだ。

 鶴

 ゼロで3イニング終えることを意識した。勝負にこだわっていけた。自分の立場はアピールするしかない。まだまだ足りないモノがある。今の段階で満足しても仕方ないけど、今日はしっかり腕を振れた。

 11年初実戦となる練習試合・日本ハム戦。直球に重きを置き、内容と結果の両取りを狙った。2回は中田を外角スライダーで二飛に打ち取った。この日も1発を放ったスラッガーを仕留め、3回3安打無失点。絶好調男を踏み台に、33球の熱投で存在感を見せつけた。

 鶴

 山口さん(投手コーチ)に「ちょっとシュートに頼りすぎ」と言われてしまった。「カウント球でもしっかり腕を振れ」とも言われました。直球も空振りが取れず、ミートされた。まだまだです。

 謙虚な23歳は反省を忘れない。ただ、体の軸を反らさないワインドアップ投法に挑戦しながら、前進を続けているのは間違いない。

 真弓監督

 良かったね。ブルペンではあまりボールが来てないように見えたが、ゲームでキレている。コースにも投げられている。去年に経験したことがいいところで出ている。真っすぐもよかったし、シュートもスライダーもね。

 昨季はプロ初勝利を含む2勝をマーク。今季は開幕ローテ入りを狙うが、キャンプ序盤は悩みもあった。同じ練習メニューに励む投手陣の班分け。第1クールは中継ぎメンバーの班に組み込まれた。若手が固まらないように振り分けただけなのだが、もしかして先発はできないのか、とも考えてしまう。そんな時、藤川が声をかけてくれた。「この時期の班分けは関係ない。気にせず、やっていけ」。偉大な先輩に背中を押され、気合がさらに増した。

 鶴

 まずはチームが優勝すること。その中で1軍ローテに入れるように。シーズンを1度もケガすることなく貢献したい。僕は「調整」できる立場じゃない。しっかり投げ込んで、走り込んでいきたい。

 開幕ローテ入りに向け、まずは順調な滑り出し。目の色を変え、下克上を完成させる。【佐井陽介】

 [2011年2月17日11時34分

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