沢村賞右腕に新兵器誕生!!

 広島前田健太投手(22)が22日、日南・天福球場で行われた紅白戦で今季初実戦に臨み、新球フォークを積極的に用いた。最速145キロで2回1安打無失点。成績以上に新球が目を引いた。

 まずは1回2死一塁。栗原に3球目を投じると、ベース前でワンバウンド。珍しく暴投すると思わず苦笑いを浮かべた。さらに2回には先頭トレーシーを追い込んでから沈む球で三振を奪い、天谷のバットも空を切らせた。ネット裏に陣取るスコアラー陣も思わず「あれはチェンジアップ?」。周囲をけむに巻いたエースは20日のブルペン投球でも本格的にフォークを投げるなど、ひそかに調整していた。

 前田健

 去年結果を残して、相手も研究してくる。試せることは試そうかなと思って。2年前に、ちょっと投げたくらいです。

 投手3冠に輝いた昨季、おもに投げたのはカーブ、スライダー、チェンジアップ、シュート。球団が今年の沖縄キャンプ中に作成した持ち球リストにもフォークは入っていない。新球を駆使できれば、投球の幅は格段に広がる。石原も「投げ始めて(日が)浅いけど、どんどん投げていこうと話している」と言う。

 フォークを武器に、日米で名をはせた野茂臨時コーチからも極意を教わった。「フォークの握りも自分の感覚でやっていた。教えてもらって参考になります」。昨年、頂点を極めた男にスキはない。【酒井俊作】

 [2011年2月23日10時48分

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