今年もフル回転の準備が完了した。竜のイケメンストッパー浅尾拓也投手(26)がキャンプ最終日の25日、ブルペンで40球を投げ込んだ。これでキャンプは2年連続してブルペン皆勤。今年の球数は1262球に達した。セ・リーグでは初となる2年連続70試合登板の土台が出来上がった。

 最終日もその光景は変わらなかった。背番号41はブルペンに入ると、直球、スライダー、フォーク…。1球、1球を確かめるように40球を投げ込んだ。これでキャンプ練習日の22日間はすべてブルペン入りしたことになる。

 昨年キャンプに続く、皆勤賞だった。ブルペンで投じた球数は1262球。試合や試合前の投球練習を含めると1400球近くを投げたことになる。

 「全部入れたということは自分にとっても良かった。大きなけがなかったということですから。そこに関しては納得している」。

 「ブルペン皆勤」は自らに課したノルマだった。シーズン初めから本格的に中継ぎに臨んだ1年前のキャンプも毎日ブルペン入りした。球数にこだわることはなかったが、毎日投げることにこだわった。すべては「試合で毎日投げられる体を作るため」。その結果が球団記録となった72試合登板だった。今年もその再現を頭に描いている。

 チーム事情を考えても浅尾にかかる比重は大きい。昨季、左のセットアッパーとして63試合に出場した高橋が左肩の違和感で出遅れ。キャンプ中に左太ももを痛めて投球練習のメドも立っていない。守護神岩瀬につなぐセットアッパーとして今季も地位は不動だが、仕事量は増えるかもしれない。

 登板数が増えれば自然と2年連続70試合登板の可能性が出てくる。パ・リーグでは稲尾、摂津(現ソフトバンク)が記録しているが、セ・リーグでは初となる偉業。その土台をキャンプできっちり作り上げた。

 「周りのことは考えずに必死にやっていくだけです。あと1カ月間なんでしっかりと調整していきたい。前の試合はコントロールが悪かったんで、次は四球を出さないようにしたい」。

 今日26日、楽天とのオープン戦に登板する予定。今季初実戦となった19日韓国SK戦では被安打0ながら、2四死球と制球を乱した。この日は練習後もサブグラウンドで近藤投手コーチを座らせてフォームチェック。最後まで準備は怠らないのがこの男だ。竜の若き鉄腕は今年もフル回転してくれそうだ。【桝井聡】

 [2011年2月26日10時13分

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