<オープン戦:日本ハム9-8ロッテ>◇26日◇名護

 日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が大きく自信をつけた。26日、2度目の実戦登板となったオープン戦初戦のロッテ戦(名護)で、1回を1安打1四球無失点で切り抜けた。最速142キロの直球やツーシームを低めに集め、練習試合・韓国サムスン戦に続き、無失点に抑えた。投球組み立ての基本となる直球系に手応えを得て、第1段階は終了。今後は変化球の割合を増やして直球とのコンビネーションを磨き、開幕先発ローテーション入りを目指す。

 2度目の実戦を終えた佑ちゃんは、確かな手応えを感じ取っていた。「スライダー、カットボールを投げられれば(抑えられる)と、思えたので、あとあと楽になると思う」。直球系とカーブの2種類のみで臨んだ2月の登板。自ら球種を制約した中で、2試合ともに無失点という結果に、封印してきた得意のスライダーなど変化球を交えたコンビネーションを試す段階へ移行することを決めた。

 国内球団との実戦初戦は昨季日本一のロッテ打線が相手。6回に4番手で登板し、全19球中、ストレートは15球を数えた。先頭の清田を外への直球で一邪飛に仕留めた。続く大松には四球を与えたものの、徹底的に直球とツーシームで外角を攻め続けた。代打竹原には制球が定まらず、結果的に二塁打を許したが、後続を断って2戦連続のゼロ封。「今日はやりたいことができたと思います。真っすぐが一番良かったです」と振り返った。

 変化球を生かすためにも、磨かなければならないボールを真っ先に実戦で試し、手応えをつかんだ。吉井投手コーチは「ファウルが後ろに飛んでいたので、球に強いスピンがかかって、威力があるのだと思う。ほとんどストライクだったしね。向こうの打者も真っすぐを狙ってきているのに、ファウルになっていた」と投球内容を褒めた。

 これまであまり投げていなかったカーブも、前回の韓国サムスン戦に続いて、1球だけ試投した。1死二、三塁のピンチで、直球待ちだった細谷のタイミングを狂わせて三ゴロに打ち取った。球速は111キロで、この日最速の142キロの直球と比べ31キロの球速差があった。「(公式戦で)使っても1、2球です。そんなに自信がないです」とまだ納得はしていないが、緩急の面で有効なボールになる可能性を秘めている。

 腹痛で1度登板が流れた後だっただけに、斎藤は「実戦で投げられたことが一番楽しかった」と話した。梨田監督は「ベンチに戻ってきた時、ホッとした表情だった。アウトコースの制球がいい」と、黄金ルーキーのマウンドさばきに満足げだった。目標の開幕ローテーション入りへ、今後は徐々に投球回数を増やしていく見込み。次戦は3月2日オープン戦のヤクルト戦(札幌ドーム)。本拠地初のマウンドで、名護で得た自信をさらに深めていく。【木下大輔】

 [2011年2月27日8時33分

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