<オープン戦:中日3-3ロッテ>◇27日◇北谷

 また打った。ロッテ清田育宏外野手(25)が、2試合連続のオープン戦2号を放った。2点を追う7回2死一塁。中日岡田の真ん中に入った直球を豪快に振り抜いた。「打った瞬間、入ったと思った。いい感触だった」。逆風を突いて左翼席に飛び込んだ一撃は推定飛距離120メートル。試合を振り出しに戻す値千金の1発だった。前日の日本ハム斎藤との初対戦では力んで凡退してしまったが、ここ一番での勝負強さが清田本来の姿だ。

 中日とは昨季の日本シリーズ以来の対戦。通算6打点の新人タイ記録をマークし、シリーズ制覇に大きく貢献した。この日も貴重な同点弾。「中日相手ということは意識はしていない」と謙遜するが、中日ファンにとって「清田」は聞きたくもない名前だろう。

 清田も「ポスト西岡」を期待される1人だ。紅白戦も含めて、ここまで5試合の実戦で1番に座った。「1番は光栄。西岡さんと比べれば雲泥の差だけど、僕の持ち味である『甘く入ったら1発がある』というのを出していきたい」。長打も打てるトップバッターをアピールし、中堅の定位置争いを勝ち抜く構え。「もう26歳で若くはないですからね。試合に出ていかないと、人生短くなっちゃいます」。報道陣の笑いを誘いながらも、表情は真剣そのものだった。【鈴木良一】

 [2011年2月28日9時19分

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