<ロッテ1-0ソフトバンク>◇30日◇QVCマリン

 ソフトバンク福田秀平外野手(22)が、スーパーキャッチを披露した。8番中堅で今季初先発。0-0で迎えた5回2死一、二塁だった。ロッテ4番サブローが放ったセンターへの鋭い当たりに反応した。フェンス際、後ろを向きながら倒れ込んでキャッチ。抜ければ長打の場面、執念でグラブにボールを収めた美技だった。マウンドにいた杉内からも拍手を送られ、照れ笑いした。

 「低いライナーは伸びてくると思っていた。いいスタートが切れました」

 メジャーでは今でも語り草になっている、メイズの「ザ・キャッチ」を今に再現したかのような難易度の高いキャッチだった。

 バットでも3回の初打席に魅せていた。左腕マーフィーから126キロのチェンジアップをとらえて中前へ。両打ちながら今季は左打ちだけに専念。左対左でも苦にせず「1本出たのでホッとしました」。今季初安打の勢いが、好守備も生んだ。

 俊足好打。内外野、どこでも守れる万能さが魅力だ。宮崎キャンプ初日に右太もも肉離れを起こし福岡へ強制送還された。その屈辱をバネにしてきた。けがを完治させてからは2軍で結果を出し続け、首脳陣をまた振り向かせた。

 開幕前に1軍昇格。これまでは主に代走や守備固めで起用されていた男が、秋山監督の大抜てきに応える活躍を見せた。

 「杉内さんに勝ちをプレゼントすることができなかった…」

 エースの力投を勝利につなげることができず、悔しさをにじませた。次こそは…。5年目の勝負をかける22歳は、自分のプレーだけに満足する気はない。【奈島宏樹】