<阪神11-4広島>◇12日◇甲子園

 降雨コールド勝ちでいいのに…なんてちょっとでも考えてしまってスンマセン。こんな頼もしい阪神打線は、久しぶりや。好調広島相手に、いずれも今季最多の4本塁打、13安打、11得点。呼び込んだのが、城島健司捕手(34)だ。1試合2発で、通算1000打点の大台に到達した。4年ぶりの最下位から、巨人と一緒に3位浮上を呼び込み、さあ、巻き返しまっせ!

 ド派手に決めた。7回1死、岩見のスライダーをたたく。バックスピンがかかったアーチは雨を切り裂いて左翼ポールを巻いた。着弾を見届けて、城島はゆっくり走り出した。

 城島

 打った感触はファウルかなと思った。切れずによかった。ファウルはどんなに大きくてもファウル。1円にもならないしね。

 捕手4人目の通算1000打点。3回に4号ソロで王手をかけて、今季初の1試合2発で決めた。ベンチ前では花束を手に、帽子をとって四方に礼をした。

 城島

 プロに入った時は1000打点を打つぞ、と思って入ってない。僕の場合は(日米)通算というのがつく。パ・リーグでスタートして、アメリカにもいきました。でもトータルの数字が大事と思っている。999よりはいいですよ。

 新人の95年7月9日ロッテ戦、7回にヒルマンからプロ初安打初打点。「センター前に打ってそれに打点がついた」。日米をまたにかけて、またひとつスラッガーの勲章を手にした。

 「捕手のイメージを変えたい」と口にしたことがある。捕手には守備のイメージがつきまとう。だが城島はスターが集う球宴で中軸が張れるような存在になることを、捕手の夢として願っている。

 城島

 打つことと守ることは別。割合を聞かれたら、100%、100%と答えます。打って、守って、両方できるようでいたい。

 城島の2発も含めて、打線は今季最多の13安打11得点で広島に快勝した。城島のメモリアル打点で、猛虎が一気に加速する。【益田一弘】