<ヤクルト5-1日本ハム>◇4日◇神宮

 69年前の球史に残る大記録への挑戦は、不完全燃焼で終わった。日本ハムの連続イニング無失点記録が、プロ野球記録タイの「52」でストップした。先発吉川光夫投手(23)が、更新がかかっていた3回に乱調。一挙3失点で、連続完封で積み上げてきた連勝まで「5」で止まった。拙攻の連続で徒労感も倍加した梨田昌孝監督(57)は「よく(52回まで)いったと思う」と、気丈にねぎらった。

 新しい扉を開くには、まずまずの出だしだった。要所の立ち上がり、2回までに計3安打ながらも無失点でしのいだ。記録を伸ばして42年阪神の52イニング連続に並んだ。吉川の「特別に意識せず1人、ひとり、投げようと思った」との細心さが3回、やや裏目に出た。打順2回り目の先頭田中浩に中前打を浴び、続く3番の宮出に四球を与える自滅で、流れを失った。

 主砲・畠山の中前適時打で、驚異の0行進はジ・エンド。3連打に敬遠で満塁策後に、投手の石川に押し出し四球と、歯止めは利かなかった。梨田監督は「切り替える。それだけ」と淡々と再出発を見据えた。少し後味の悪い偉大なタイ記録への未練を断ち切り、最優先目標のV奪回へ、ふんどしを締め直す。【高山通史】