<日本ハム0-1ソフトバンク>◇6日◇札幌ドーム

 伏兵が大仕事を果たした。ソフトバンクのプロ5年目・福田秀平外野手(22)が、日本ハムのダルビッシュ有投手(25)から決勝タイムリーだ。5回に左中間へ適時二塁打。チームは強敵をなぎ倒し、直接対決で連勝。今季最大6ゲーム差。V2ロードが開けてきた。

 シャープなスイングから放たれた打球が、左中間方向へと伸びていった。球界最高峰の右腕に痛烈な一打を浴びせたのは、伏兵福田だ。5回2死一塁。外角高めのスライダーを仕留めた。左中間を破る決勝適時二塁打。最も経験も年齢も浅い若武者が、ダル倒を成し遂げた。

 福田

 楽しんでいこうと思った。すごくワクワクして打席に入れた。いい感触でした。

 秋山野球の申し子と言える。両打ちをやめて左打席専念の裏にも、秋山監督の指示があった。この日も試合前打撃練習で指揮官に指導を受ける姿があった。「当たるまで速く振るように、と言われました」(福田)。超一流の球を打ち返すための助言が、ダル撃ちへの根底にあった。

 8月7日以来、1カ月ぶりの福田先発出場には、多くの要素が絡み合っていた。右膝手術歴がある松中は、グラウンドが固い札幌ドームのためDH起用。押し出される格好で大砲カブレラが代打要員へ。ライトを守るはずの多村が右肩痛。守備力に劣るオーティズも接戦になるとの計算から控えに回って福田にチャンスが巡ってきた。

 7回にもダルから中堅糸井のグラブをはじく、左中間へ三塁打を放った。3回の第1打席は一塁ライナーだったが、内角直球を芯でとらえた強烈な打球だった。

 秋のCSを含め、今後のダル戦を見据えても大きな戦力が加わった。何より、ライバルとの直接対決で連勝。今季最大の6ゲーム差だ。最短9日の優勝マジック22点灯も、いよいよ現実味を帯び始めた。リーグ連覇へのカウントダウンが、まもなく始まりそうだ。【松井周治】