<オリックス5-10西武>◇11日◇ほっともっと神戸

 西武栗山巧外野手(28)が面目を保った。地元神戸で行われた一戦で3安打3打点の大暴れ。2回2死満塁、3回2死一、三塁と中前へ2打席連続タイムリー。5回にもこの日3本目の中前打を放ち、日本ハム糸井を抜いて首位打者に浮上した。

 プロ野球選手の勇姿を、昔の自分のように観戦した少年たちに見せつけた。この日は打席に入るたび「栗山~!」というひときわ大きな歓声が起きた。今月、自身が神戸市の少年野球チームに所属していた恩返しをするべく、自らの名前を冠した「栗山巧杯少年野球大会」を開催。球場には大会に参加した子どもたちが来ていただけに「地元に帰った時に、ちょっとかっこはつくかな」と笑った。

 栗山の実家は球場のすぐ近く。オリックスのファンクラブにも入っていた。「藤井康雄さん、福良さん…。みんなメッチャかっこよかった」。当時は試合の大勢が決まると帰る観客も多く、いい席に座っていたファンの中には、スタンドを走り回っている子どもたちにチケットの半券をくれる人もいたとか。それでバックネット裏に回って見るのが楽しみだったという。

 2回の適時打は、追い込まれてからの緩い球にも崩されないではじき返す、野球少年たちにはお手本のような打撃。子どもに夢を与える1番打者がチームを引っ張り、今季3度目の4連勝で借金を7月14日以来の1ケタに減らした。このまま連勝街道を突っ走り、一気に巻き返す。【亀山泰宏】